2025年7月29日 ドイツ ザールブリュッケン、エアランゲン、ミュンヘン – HighTec EDV-Systeme、エレクトロビット、インフィニオン テクノロジーズは、Classic AUTOSARベーシックソフトウェア上でのRustアプリケーションの統合を実現することで、自動車業界のソフトウェアイノベーションを加速するべく協業します。
HighTecとエレクトロビットは、インフィニオンのAURIX™マイクロコントローラ向けDrive Coreエコシステムパートナーとして、包括的な開発パッケージを提供します。この共同ソリューションには、エレクトロビットのEB tresos AutoCoreと、HighTecの車載グレードのLLVMベースRustとC/C++コンパイラが含まれます。AURIX TC4xシリーズに特化したこのDrive Coreソフトウェアパッケージは、必要なすべてのツールとソフトウェアがひとつにバンドルされており、すぐにRustとClassic AUTOSARの開発が始められます。本協業により、組み込みソフトウェアの開発者は、複雑なECUにおける機能安全アプリケーション開発に必要なものすべてを、Rustのメモリ安全性と高性能を活用したひとつのパッケージとして、シームレスに入手することができるようになります。
Rustは、その性能と信頼性、そしてとりわけ優れたメモリ安全性により、今日の車載ソフトウェアに不可欠な存在となっています。SDV(ソフトウェア定義型車両)や、UN R155/EUのサイバーレジリエンス法といった規制の高まりを背景に、サイバーセキュリティおよび機能安全へのニーズが増す中、Rustはそのニーズに応えます。エレクトロビットのClassic AUTOSARベーシックソフトウェアと、HighTecのISO 26262 ASIL D認証済のRustコンパイラを組み合わせることで、開発者はRustベースのソフトウェアコンポーネントをAUTOSAR環境にシームレスに統合できるようになります。これにより、Rustで新たに開発されたソフトウェアと既存のC/C++コードベースのソフトウェアが共存するハイブリッド開発が可能となり、安全基準に準拠しながらリスクを低減することができます。AURIX TC4x向けのDrive Coreソフトウェアパッケージには、マイクロコントローラと合わせて、EB tresos設定ツール、インフィニオンのAURIX TC4x MCAL、AUTOSARソフトウェアコンポーネントをRustで開発するためのサンプルコードやチュートリアルなど、必要なものすべてが含まれています。
エレクトロビットのEB tresosは、Rustでのクリーンかつ効率的な開発に対応しており、非安全コードを最小限または不要とします。この統合ソリューションにより、システムアクセスコードの生成だけでなく、RustのClippyによる静的解析や自動コードフォーマットなどのツールチェーンも提供され、効率の向上と同時に安全性が求められる車載ソフトウェア開発のコストと複雑性の削減も実現します。
HighTecのRustおよびC/C++コンパイラは、実績あるオープンソースのLLVM技術をベースにしています。これは、InfineonのAURIX TC3xおよびTC4xマイクロコントローラシリーズ向けとして業界初のRustコンパイラであり、AURIXマイクロコントローラのアーキテクチャ固有の機能を最大限に活かせるよう最適化されています。HighTecのコンパイラは、高速なビルドシステムと高度なコード最適化で知られ、安全性が求められるアプリケーションの迅速な開発と認証を加速します。
インフィニオンは、業界最大規模のマイクロコントローラ抽象化レイヤー(MCAL)のポートフォリオを有し、イノベーションを推進するエコシステムアプローチを取り入れています。その一環として、車載ソフトウェア開発の基盤となる包括的なソフトウェアパッケージであるDrive Coreを展開しています。
「Drive Coreは自動車業界にとってゲームチェンジャーです。HighTecやエレクトロビットのような企業がDrive Coreを活用してイノベーションを推進していることを非常に嬉しく思います」と、インフィニオンのオートモーティブソフトウェア部門シニアディレクター、Patrick Will氏は語ります。
また、エレクトロビットのシニアエキスパート兼システムアーキテクトであるFlorian Bartelsは次のように述べています。「RustをClassic AUTOSARの環境に取り入れることで、エレクトロビットは車載ソフトウェア業界におけるイノベーションを引き続き牽引していきます。Rustの持つ安全性と既存のClassic AUTOSAR環境へのシームレスな統合は、今日のECU開発における理想的な組み合わせです」
さらに、HighTecのCTO、Mario Cupelli氏は次のように語ります。「HighTechのRustコンパイラとエレクトロビットのツールを組み合わせたこのパッケージにより、自動車業界のお客様は、より安全で効率的なソフトウェアソリューションを構築することができます」
HighTecとエレクトロビットは、RustとClassic AUTOSARを活用したツールおよびソフトウェアパッケージの提供に加え、実践的なノウハウを共有するワークショップやハンズオンセッションも展開しています。
Drive Coreの詳細は、https://www.infineon.com/drivecoreをご覧ください。
EB tresosおよびエレクトロビットのRustの活用については、https://www.elektrobit.com/jp/rust/をご覧ください。
Infineon AURIX TC3xおよびTC4x 向けHighTecのRustコンパイラについては、www.hightec-rt.com/rustをご覧ください。
いずれのサイトでも、AUTOSAR Rustパッケージの登録および入手方法をご確認いただけます。
エレクトロビットについて
エレクトロビットは、先進の自動車業界向け組み込み/コネクテッドソフトウェア製品・サービスをグローバルに提供する車載 ソフトウェアのリーディングカンパニーです。エレクトロビットは、過去35年以上、自動車業界向けインフラストラクチャソフトウェアやコネクティビティ、セキュリティ、自動運転、関連ツール、ユーザーエクスペリエンスの分野で柔軟かつ革新的なソリューションを提供してきました。弊社のソフトウェアは、既に6億台以上の車両に50億以上のデバイスで採用されています。エレクトロビットは、コンチネンタルの完全子会社であり独立事業会社です。詳細はwww.elektrobit.com/jpをご覧ください。
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズは、パワーシステムとIoTにおける半導体分野のグローバルリーダーであり、製品とソリューションを通じて、脱炭素化とデジタル化を推進しています。全世界で約58,060人の従業員を擁し (2024年9月末時点)、2024会計年度 (2023年10月~2024年9月) の売上高は約150億ユーロです。ドイツではフランクフルト証券取引所 (銘柄コード:IFX)、米国では店頭取引市場のOTCQX (銘柄コード:IFNNY) に上場しています。
HighTec EDV Systemeについて
HighTec EDV-Systeme GmbH(本社:ドイツ、ザールブリュッケン)は、オープンソース技術を活用した世界最大級の商用コンパイラプロバイダーです。ISO 26262 ASIL D認証の車載組み込みソフトウェア開発ツール、リアルタイムOSであるPXROS-HR、および幅広い設計支援サービスを提供しています。RustとC/C++コンパイラは、Arm®、TriCore™/AURIX™/TRAVEO™、RISC-V、PowerPC、GTMなど、主要なマルチコアマイクロコントローラに対応しています。同社は1982年に設立され、現在はドイツ、チェコ、オランダ、ハンガリー、中国に拠点を構えるプライベート企業です。詳細はwww.hightec-rt.comをご覧ください。
お問い合わせ:
エレクトロビット日本株式会社
小倉 万紀
マーケティングマネージャー日本担当
電話: 050-4560-3756
Eメール:Maki.Ogura@elektrobit.com
Infineon Technologies AG
Oliver Scharfenberg
Phone: +49 89 234 38063
Email: oliver.scharfenberg@infineon.com
HighTec EDV-Systeme GmbH
Phone: +49 681 92613-16
Email: info@hightec-rt.com
Press Contact Agency: Mexperts AG
Catherine Schneider
Phone: +49 8143 59744-27
Email: catherine.schneider@mexperts.de