車両アーキテクチャの変化

自動車基盤アーキテクチャ

調和のとれた自動車の基盤:
高速でセキュアな通信をサポート

 

所要時間
4分

現代的な車両にはより多くの機能があり、ソフトウェアの複数のレイヤー、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、電子制御ユニット(ECU)が、ひとつのオペレーティングシステムに統合されています。クルマは消費者向けのスマートフォンのようになってきています。以前はハードウェアが自動車エレクトロニクスの開発を主導していましたが、現在では明らかにソフトウェアの重要度が高くなっています。実際、業界のリーダーたちはソフトウェア定義型自動車(SDV: Software-defined vehicle)向けに、ベンダーに依存しないオープンソース規格の開発を進めています。これは自動車エレクトロニクス基盤の開発における重要な進化です。歴史的に各々のECUおよびそのソフトウェアは独立して動作するように設計され、ステアリングやブレーキなど自動車内の特定の機能を実現していました。現在では、自動車プラットフォームは、調和のとれた抽象化というコンセプトに基づいて設計されています。これはソフトウェアコンポーネントが急増する中で、スケールメリットを活かすものです。ECUの複雑なネットワークが、ひとつのプラットフォーム上に展開され、ひとつのデバイスとして管理されるようになっています。最大レベルの可搬性と保守性を確保するため、個別のアプリケーションはシステムレベルAPIの最上位に構築され、堅牢で強固に統合されたエコシステムを形成しています。現代的な自動車オペレーティングシステム、つまりAutomotive OSがもたらすメリットはどのようなものでしょうか。このエコシステムは、より高速なネットワーク通信とより高いデータレートを実現し、増え続けるソフトウェアの新機能をサポートします。そして、自動車メーカーやサプライヤーのますます複雑になるネットワーク管理を容易にします。調和がとれ、強固に統合されたAutomotive OSは、配線を削減しコンポーネントの統合を簡素化して、開発時間とコストを最小化します。そして最終的には、サイバー攻撃やその他のリスクに対してより耐性の高い、非常にセキュアなクラウド接続アーキテクチャが可能になります。

 

高速でセキュアな車載通信をサポート

 

高まる専門知識へのニーズ

自動車メーカーやサプライヤーが、ソフトウェア定義型自動車への転換を図り、調和のとれた車両プラットフォームの開発に取り組む中で、この課題を自社のみで克服するには専門知識が十分ではないかもしれません。自動運転や車内エンターテインメントシステム、リモート診断、電動エンジンを、ひとつの統合されたAutomotive OSプラットフォーム上に構築するための速度と帯域幅の要求を満たすのは、複雑なタスクです。自動車開発チームは、静的なゾーン型ECUから、ひとつのセントラル型ECUに簡素化するプロセスを理解しているプロバイダーと提携する必要があります。複数の車載システムがまとめられ、同時に通信するため、安全とセキュリティは何よりも重要です。車載Ethernet、仮想スイッチ、Ethernetスイッチ、仮想化モジュールへの接続は、すべて業界プロトコルと国際安全基準に準拠して設計する必要があります。データはセキュアかつリアルタイムに、すべてのエレクトロニクスシステムとソフトウェアコンポーネント、さらにクラウドとも共有されなければなりません。たとえば自動運転システムには、車両基盤全体に配置された複数のセンサーからの瞬時データのストリーミングが必要です。これらのシステムは、外部条件に対して安全かつ適切、リアルタイムに応答を行うために、クラウドからの外部地図情報と統合されなければなりません。複数のシステムが完璧に通信し同時に機能しなければ、これを実現できません。また、乗員の安全がかかっているため、自動車メーカーは次世代の調和のとれた自動車基盤の構築に取り組む中で、開発プロセスを軽視できません。これらに対応するためには、この領域におけるリーダーであり法規制の順守を確保するため、実証済の専門知識を有し、継続的な技術開発に取り組み、AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)などの業界団体と協力しているパートナーが必要です。

 


未来のインフラストラクチャの実現

エレクトロビットは、多くの世界的な自動車ブランドの先進的なソフトウェアを設計、開発、統合するグローバルリーダーであり、すでに世界中の何百万台もの自動車に採用されています。私たちはさまざまなECUの機能性を管理するプラットフォームサービスを提供し、最適化されたアプリケーション管理と通信のためのミドルウェアソリューションの開発において、独自の専門知識を提供します。堅牢でレイヤー化された安全およびセキュリティアーキテクチャを構築し、Automotive OSの基盤を構成、試験し、きわめて重要なすべてのシステムとソフトウェアに高速でシームレスな通信を確保します。エレクトロビットのEB tresos製品ラインは、ベーシックソフトウェア、オペレーティングシステム、設定ツール、機能安全、テストソリューションを含む最先端のECUソフトウェアを自動車メーカーに提供します。EB corbos製品ラインにより、自動車メーカーは高性能コントローラー(HPC)上に構築された新しいAdaptive AUTOSAR規格を採用できるようになり、相互接続性とリアルタイムアップデートをサポートします。EB corbosには、ベーシックソフトウェア、ハイパーバイザ、設定ツール、そして高性能オペレーティングシステムが含まれています。このすべてがシームレスに動作します。詳細情報や、SDVの独自のビジョンの実現を支援するエキスパートへのご相談は、こちらにお問い合わせください。